2013年6月20日付(物流ニッポン)
中古トラックを適正評価 全国レベルで事業展開
日本中古トラック査定協会(JAVA、浜崎秀基理事長)は、中古トラックの査定制度の確立を第一の目的として1月に発足した。
浜崎理事長は「トラックという資産価値を正当に評価して適正に会計に反映させ、経営の健全化と安定図って欲しい」と話す。
JAVAでは、中古トラックの現在価値の評価を行い査定証を発行。査定は有料で、車検証のコピー、車両写真、査定依頼書が必要になる。
現在の査定業務実地店舗(査定ステーション)は神奈川、千葉、埼玉、愛知の各県に1か所ずつ。今後は、実地店舗を拡大していく考えで「賛助会員を増やし、査定ステーションも各都道府県単位で設置していきたい」と浜崎氏。
「トラックは含み資産。それが低く評価され決算に載らないのが現状なので、本来ならば通る融資も通らなくなっている」と強調。問題点として「事業者も金融機関もそのことに気付いてないことだ」と指摘する。
現状の査定問題の解決に向け追い風となるのが、金融庁が2月に決定したABL(動産・売掛金担保融資)の積極的な活用だ。従来担保の中心となっていたのは不動産だが、企業が保有するトラックなど動産の担保活用を推進。今後金融庁がマニュアルの明確化や周知徹底などを進めていく。
ABLの活用が広がれば、運送会社は円滑な資金調達が可能になり、金融機関は経営実態をより正確に把握できる。こうした変化を浜崎氏は好機と見込む。
「金融機関は動産査定のノウハウがないはず。JAVAとして支援することができる」金融機関のほか、リース会社や保険会社などにもメリットがある。各社が事業を行う上で、JAVAの査定が判断材料として生かせるからだ。
このような利点をフル活用してもらうために、賛助会員も募集している。入会すれば、売買情報がいち早く入手できるほか、中古トラックの相場情報も得られる。
整備工場にとっては、大型修理見積もりの前に査定が行えて、買取依頼の対応にも可能となる。加盟金は2万円、月会費は2500円。
今後の抱負として、浜崎氏は「全国レベルで事業を展開し、過小評価されている実態を元に戻したい」と意欲をみせる。